夜に焰え往く

ゲーム開発者ヤマトのブログです。主にゲーム開発系の記事を書いていくつもりです。

【アナ雪2】気遣いゼロから始めるネタバレ感想

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観てきた。アナ雪2は全て分かります。

ネタバレがイヤな人は回れ右でおなしゃす。

※当然ながら個人的な見解なので、間違ってたりおかしいと思っても与太話として流して下さい

 

 

 

歴史の影に埋もれるかも知れない

アナ雪2は多分前作が好きな人ほどコレジャナイと思う気がする。前作で解決した問題をぶり返したりしない。登場人物は全員成長している。

 

ストーリーを簡単に説明しちゃうと、両親がなぜ嵐の海に消えたのか、そして全く説明のなかったエルサの能力の謎を究明する話

1では舞台装置でしかなかった設定にわざわざ切り込むので、気にはなるけどその話ホントに面白いの?と心配になる。確かにそう。既存の舞台に誰か加えて引っ掻き回すだけでもファンは満足しそうな気もする。

 

でもディズニーはそれをしなかった。

あえて完成された関係のキャラたちを、そのまま新しい舞台に叩き込んだ。

 

守られる恋物語から脱却したなら次は大冒険だ

前作は「ダブルヒロイン」「王子なんていらなかったんや」「運命の出会いとか言ってないで身近な人と健全な信頼を築け」みたいな話だったと思う。

 

アナ雪2のテーマは冒険だと思った。

最近、トイストーリーがやって見事に賛否分かれたアレに近いものを感じる。

最も冒険してるのは制作スタッフだ。

 

世界観の再構築

アナ雪にはトロールが出てきたり地理や文化から北欧神話の世界に近いと思われる。しかし完全なファンタジーでもなくスペインなど実在の国も登場する。

今回、四大精霊(風火水土)が登場して「ここは神話の世界ですよ」と念を押して説明される。男の子ってこういうの好きなんでしょ?

世界観を表現するCGの技術とセンスも前作から遥かに進化しているため、見どころとして推してきてる事が分かる。

 

女子だけでも冒険できる!

冒険のロマンとスペクタクルはかつて男だけのものだった。姫は囚われたり眠らされたり、前作のアナもクリストフとオラフが護衛をしていた。

しかし、本作はアナとエルサがとにかく2人で解決していく。この辺りが圧倒的に違う。人間ドラマはあるものの、葛藤や逡巡は少ない。あるのは覚悟だけ。ピンチに陥っても、これまで築いた絆が乗り越える勇気を与えてくれる。完全に少年漫画のノリだ。

つまりアナ雪2はプリキュアなのである。

 

登場人物

エルサ

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とにかくはしゃぐ雪の女王

前作では強力な力を持つが故に翻弄されたエルサ。心を閉ざして山に引きこもり、散々迷惑掛けて妹に助けてもらっただけのお姉ちゃんだった。つまりディズニープリンセスヴィランを足して2で割った感じだった。

それが本作では「あたいが主役よ!」と言わんばかりに走り回る。両手から消化器みたいに冷気を出して山火事を消したり、半裸で海に突っ込んで無理矢理泳ぎ切ったりする。アタマがおかしい。

そもそもこの子はアナに対してお姉ちゃんぶっているが、実態は引きこもりのコミュ障なのでやる事が突発的で危険なんだよな…頼れそうに見えて面倒を見てあげるべきタイプ。絵に描いたような長女だ。

 

アナ

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可愛くてカッコいい妹

前から僕はアナ派です。明るく元気なキャラって癒されるよね。お前たちも嫁にするならああいう娘にしな。

今回、衣装が黒衣の女騎士みたいな感じでカッコ良くなってるし、とにかくエルサを守ろうと奮闘するんだよね。ただの人間で女の子なのに。そういうの燃えるんだよ、ジェロニモみたいでさ。

「念願のアイスソードを手に入れたぞ!」みたいな場面があるので必見。

 

オラフ

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真理しか語らなくなったジョーカー

前々からしれっと真理を語る曲者だったのが、完全に馬脚を現した形となった。何が見えてるんだオマエは。薬の影響か?お前がそんなんだからあいつがとんでもない事になったんだぞ反省しろ。

 

クリストフ

トナカイと一体化した男

本作の癒しにして、9割いなくても進行に影響のなかったクリストフ。オラフが放棄した道化役を背負わされた悲しき男。しかし彼こそがアナ雪2なのかも知れない。スタッフはふざけたのか真剣だったのか…是非劇場で観てほしい。

 

他にも新キャラなどはいるが、あくまで脇役に徹しているため、そこまで印象はないかな。火の精霊(サラマンダー?)は可愛いけどパスカル二号って感じ。

前作でストーリーの都合でクズ野郎にされたハンス王子は今回も登場ノルマを達成している。

 

最後に、アナ雪において家族は重要な存在として描かれているが、本作ではその家系に及んでいる。しかしそれは祖先の負債という形でツケを払わされる羽目にもなっているので、どこか他人事とは思えなかった。